プロフィール


私は中学時代、友人から「お前が高校に受かったらヘソで茶沸かしてやる」とからかわれるほどの劣等生でした。

その証拠に、中学2年生の学年末、初めて受けた実力テストでは、500点満点中196点。恥ずかしい話、この時点で、私は英語の冠詞「a」と「an」の違いも知りませんでした。

中学3年の秋に、母に家庭教師をつけられ、ようやくまともに受験勉強を始めました。そのときは、後がない状態だったので、余計なことは考えず、ただひたすらその先生から出された課題に取り組みました。

その結果なんとか志望の高校に入学することができましたが、その頃勉強したことは、大部分が記憶に残っていません(特に社会などの暗記科目)。
これは、脳の特性に反した理解なしの語呂合わせ的記憶だったため、当然短期間のうちに記憶から消されてしまいました(この脳の特性については「脳の特性に基づく勉強法を読んでみて下さい)。

それでも、この段階で勉強することが習慣になり、高校では劣等生の汚名を返上することができました。

高校に入学後、1年間は自分なりの勉強方法を続けました。特に数学が好きになり、つねに頭の中は数学の問題でいっぱいでした。
おかげで、数学の成績はいつも上位、他の教科もまずまずの成績がとれました。
しかし、私の快進撃もここまででした。

高校2年生になった頃、大学受験について考えるようになり、このまま効率の悪い勉強をしていてよいのかと疑問に思うようになりました。
(この頃の勉強法は、全教科予習復習をして、さらに余った時間は数学の問題を解くといういわゆるガリ勉方式でした。)

そしてその頃、家の近くの書店で1冊の本に出会いました。
(この本に出会ったおかげ?でその後、さまざまな苦労をすることになるのですが…)

それが和田秀樹先生の「受験は要領」でした。
この本から、私の勉強法への探求が始まったように思います。

先生の本は、受験を要領よく乗り切ろうという主旨のもので、当時の私の勉強法とは全く異なったモノでした。

その頃の私は、教科書で分からないところがあったら解るまで徹底的に考えるという勉強法をとっていましたが、その本の勉強法は、とりあえず暗記すればよいというようなモノでした。

私の好きな数学でさえ、暗記科目だと言い切った先生の書籍「数学は暗記だ」により私は勉強方法を、完全に変えてしまいました。

これまでの解るまで考えるスタイルから、解らないところは解法ごと暗記してしまうようなスタイルに変えたのです。

それにより、好きだった数学が急につまらなくなりました。

数学の解法を暗記してしまう行為は、数学から思考(試行錯誤?)することを除いてしまうこと。そうすると数学からは何の楽しみも見いだせませんからね。

「数学の問題では、1分考えて分からなかったら解答を読み、理解し、その解法を暗記する。」

これが数学のテストで良い点を取る極意だそうですが、これでは数学の楽しい部分が全く感じられない…

それにより、私の数学力は落ちてくることになりますが、それでも定期テストなどではいつも良い成績をとり続けました。
ただ、実力テストとなると、定期テストとは打ってかわって悲惨な結果になっていました。

ちょっと問題をひねられると手も足もでない…
私がやってきた暗記数学の限界のように感じました。
(この暗記数学でも頭のよい人は応用問題も難なくこなせるようになると思います。ただ私にはこの方法が全く合いませんでした。)

今思うと、当時の勉強法が書かれた本というのは本人の体験談のようなものだったのかもしれません。だから、万人向けではなかったと思います。
(このことは、和田先生もはっきりと認めていますし、「受験は要領」の内容は矛盾だらけで、いい加減な部分がたくさんあるとも言っています。)

それでもこの方法で、大学まではなんとかやり過ごすことが出来ました。

しかし、大学院に入ってからは、このようなやり方は通用しませんでした。ここまで来ると、数学は勉強ではなく、研究にかわります。研究というものは、世界でまだ誰もやっていないことをやらなければなりません。

つまり、勉強の間は、すでに答えのあるものを理解するだけでよかったことが、研究になると答えは誰も知りません。そうなると、ひとつの物事を徹底的に考え、自力で問題を解決する力が必要になってくるのです。

これは、数学に限らず他分野にも言えることでしょうし、学問の世界だけでなく、社会に出てからも言えることでしょう。仕事上でも自力で答えを見つけなければいけないことが多々あります。

そこで、これまでの試験テクニックのような学習方法ではなく、本当の意味での学力を身につける学習法というものがないか考えるようになりました。

そうした中で、出会ったのが、脳科学でした。
脳科学の進歩により「正しい勉強法」が徐々に明らかになってきたことを知りました。

正しい勉強法というのは、脳の特性にあわせた勉強法で、これまでのように試験にしか使えないテクニックではありません。

それは、本当の学力を身につけさせてくれるとても有効な方法です。

その正しい勉強法を学生のうちに身につけておけば、こんなに回り道をしなくてもよかったのでは、という思いから、

脳の特性に基づいた勉強法を数学を通して指導すること

が私の仕事になりました。



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